江戸時代初期の大名、小堀遠州(1579‐1647)を流祖に持つ武家茶道「遠州流」が19日、福岡市南区大楠3丁目の遠州流茶道文化会館で「点(た)て初め」を行った。福岡の知名士や茶道愛好者らを招いて行われる新春の茶会だ。

 遠州は、千利休や古田織部など、茶の湯の本流を継ぎ、徳川将軍家の茶道指南役などを務めた大名茶人。精神的な「わびさび」の世界に、誰もが楽しめる客観性を取り入れた「綺麗(きれい)さび」という独特の世界をつくりあげた人物として知られる。

 この日は、遠州茶道宗家13世、小堀宗実さん(51)がお点前を披露。知名士ら20人が、5人で一杯の茶を飲む「濃茶席」を楽しんだ。席の後半では、宗 実さんが、招待客にこの日の茶席を説明。ねずみ年にちなみ、大黒様の使いとされるハツカネズミの白色を用いた「高麗堅手茶碗(わん)」や、香炉、掛け軸の 意味などについて語った。宗実さんは「今年は遠州が遠江守に任ぜられて400年の年。その記念の年に福岡で茶席を設けることができてうれしい」と喜んでい た。

 点て初めは20日も行われ、2日間で約200人を招待する。


=2008/01/20付 西日本新聞朝刊=