インド、ダージリン茶農園に迫る変化の波 担い手減少、乱開発で進む森林破壊 (1/2ページ)
2014.1.28 05:00
最高級の紅茶産地として知られるインド東部・西ベンガル州ダージリンの茶農園が、変化の波に洗われている。健康志向の高まりなど世界の需要に対応し、多くの農園が有機栽培に取り組んでいるが、人手不足や森林破壊など環境問題に直面している。
◆紅茶のシャンパン
つづら折りの山道を縫うように進むと、急斜面一面に茶農園が広がる。ダージリンは2000メートルを超える標高に位置する。寒暖差が激しく、湿潤な気候が「紅茶のシャンパン」と呼ばれる世界有数の高級品を育む。
80以上の茶農園があるが、2000年代以降、ほぼ半数が有機栽培に転換した。化学肥料を使った農法に比べ、コストは約2倍だが、モンテビオト茶農園のスクマル・ロイ支配人は「国外の消費者が求めている。手間はかかるが、品質も良くなる」と説明する。
健康志向が高まる米国のほか、経済成長を続けるアジアやアフリカが新たな輸出先として台頭。茶の木の植え替えや有機栽培への転換で、12年の収穫量は最盛期から4割程度減少しているが、輸出の引き合いは強い。
だが、100年以上の歴史の中で想定していなかった問題も出てきた。
◆重労働で人離れ
山肌を霧が覆う早朝、バンダナ・ライヤさんは、腕をせわしげに動かし茶葉を摘んでいた。朝7時から夕方4時まで急斜面を何度も行き来し、1日の労賃は90ルピー(約150円)。「昔は村に生まれた女は皆、ここで働くことになっていた。有機栽培で、草刈りなど仕事はきつくなった」
ダージリンの高級茶葉はこうした女性や夫など家族に支えられてきた。
厳しい作業の担い手を確保するため茶農園側は数十年前から、電気や水道がない村のインフラを整え、学校を建ててきた。だが、最近は重労働の割に給料が少ないと敬遠し、豊かさを求めて都市を目指す若者が増えた。
ダージリン中心部の洗練された雰囲気の飲食店で働く男性の日給は茶摘みの3倍近い250ルピー。「両親は茶農園で働いているけれど、実入りが悪い。英語が少し話せるから、こっちの方がいい」と話す。ライヤさんも2人の息子を将来、茶農園で働かせるつもりはないという。
ハッピー・バレー茶農園のアルン・シャルマ氏は「労働者を集めるのが年々難しくなっている。茶葉摘みの機械化も検討しているが、最良の状態で茶葉を摘むには、やはり人の手が一番だ」と嘆息する。
最近では、茶葉の生産に乗り出す中小の農家が急増。無秩序に原生林を開墾し、森林破壊につながっている。ダージリンの茶畑はいずれも急斜面にあり、雨水による土壌浸食で表土の栄養素が流出し、地力が低下しているほか、土砂崩れが頻発している。下流域の河川氾濫の一因になっているとの見方もある。
国立茶経営研究所のカウシク・バッタチャルジー氏は、環境の変化や中小農家の参入で、ダージリン全体の品質維持が課題になっているとした上で「乱開発をやめるなど、人間ができることは対応しなければならない」と話した。(ダージリン 共同)
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【用語解説】ダージリン
ヒマラヤ山脈に連なる高地に位置し、19世紀に英国の支配下に入る前はチベット系の文化が栄えたシッキム王国(1975年にインドに併合)の属領だった。周辺にはチベット系の仏教を信仰する少数民族が多く存在し、顔立ちも東洋系に近い。これらの人々とインド東部オディシャ州やビハール州など貧しい地域からの出稼ぎ労働者がダージリン紅茶の生産を支える。一方、茶農園のオーナーは東部コルカタなどを拠点にする大企業が大半だ。英国植民地時代に本格的な茶の生産が始まり、スリランカのウバ、中国のキーマンと並び、紅茶の世界三大茶と称されている。(ダージリン 共同)
由於出身高貴,故亦有不少仿大吉嶺的假茶出現,事實上全球的大吉嶺紅茶每年只出產8000至11000噸,而據稱是大吉嶺的紅茶的總銷量卻有40000噸。有鑒於此,印度有關方面對有質素的大吉嶺紅茶會加以評級鑑定,再加上不同的標籤加以防偽。
歷史[編輯]
1834年,英國東印度公司成立植茶問題研究委員會,派遣委員會秘書哥登(C.J.Gordon)到中國偷買茶籽和茶苗,並訪求栽茶和制茶的專家,結果聘請亞州的茶業技師為指導,傳習制茶方法,帶回許多茶籽栽植於大吉嶺。1836年哥登帶回的中國茶工,在阿薩姆勃魯士(C.A.Bruce)的茶廠中,用中國製法試製茶樣成功。
外部連結[編輯]
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