2014年2月13日 星期四

毛染めや化粧水 宇治茶用途拡大

毛染めや化粧水 宇治茶用途拡大





  • ヘルプ
白髪染めの定着剤として開発された「お茶カラートリートメント」。宇治の抹茶をたっぷり使う(東山区で)
宇治茶の世界遺産登録に向けた機運が高まる中、健康や美容に良いとされる宇治茶の利用を飲料以外にも広げる様々な試みが、府内で進んでいる。生産 農家の高齢化などで宇治茶の生産量は年々減っており、茶業関係者も「茶業界の基礎を固める一助になるのでは」と期待している。(後藤静華)
 東山区の美容院を訪れた女性客の髪に、水で溶いた抹茶がたっぷりと塗り込まれていく。店内には、茶の香りがふんわりと漂った。
 使用したのは、横浜市の美容関連会社ICTBグローバルが白髪染め用に開発した「お茶カラートリートメント」。茶葉に含まれるカテキンには色素を 吸着させる性質がある。その性質を利用することで、染料に含まれていた刺激成分を無くし、髪のダメージや頭皮のかゆみを起きにくくしたという。
 同社の塩田将隆社長(53)が「日本人になじみの深いお茶を使って全く新しいヘアカラーを作りたい」と20年がかりで開発。茶販売店「ふじや茶 舗」(東山区)の藤岡宏有生社長(42)の協力を得て、2012年5月に特許を取得し、製品化にこぎ着けた。口コミで評判が広がり、使用する美容室は全国 で100店舗を超えるという。
宇治茶の実やエキスを原材料に取り入れた化粧品
使用する抹茶は、カテキンを最もよく含む6月~7月末にかけて収穫した茶葉から作り、1回の染髪に80~120グラムを使う。飲料用としては苦味が強いため、従来は捨てていた茶葉だ。
 1年前から愛用している東山区の主婦角川智子さん(58)は「最初はびっくりしたけど、髪がつやつやして香りもいいのですごく気に入っています」と喜ぶ。
 やはり使い道がなかった茶の実に着目した商品も。京都と神戸にファッションビルを構える「BAL」(本社・中京区)が、同年11月に打ち出した独自の化粧品ブランド「KOTOSHINA」だ。
 同社は「京都らしく、今までにない商品を」と、無農薬・有機栽培の宇治茶から「オーガニックコスメ」の開発を計画。茶園を訪ね歩いた末、目をつけたのが、保湿効果が高く肌になじみやすいオレイン酸の豊富な茶の実だった。
 茶農家の協力で、実に熱と圧力を加えてオレイン酸を含むオイルを抽出。化粧水や保湿クリーム、香水など35種類の商品を約4年かけて完成させた。
 商品は東京都内や関西の百貨店でも販売。中国、韓国などアジアからの観光客にも好評といい、同社の卜部(うらべ)恵理子さん(39)は「宇治茶の新たな魅力づくりに貢献したい」と話す。
 宇治茶の世界文化遺産登録推進プラットフォームの委員を務める京都文教大・森正美教授(文化人類学)は「お茶の活用の幅が広がれば、本来の飲み物としての魅力も増すのではないか」と期待を寄せている。
(2014年2月13日  読売新聞)

沒有留言: