2008年2月2日 星期六

名碗:「時雨」「乙御前」

光悦の名碗 55年ぶり再会 「時雨」「乙御前」 旧如春庵宅に

2008年2月2日 夕刊

光悦の名碗「乙御前」(上)と「時雨」(下)=愛知県一宮市大和町で

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 国焼き茶碗(わん)の最高峰とされる江戸初期の芸術家、本阿弥光悦作の黒茶碗「時雨」(国の重要文化財)と赤茶碗「乙御前(おとごぜ)」が、元の 持ち主である茶人森川如春庵(じょしゅんあん、本名・勘一郎、1887-1980年)の住まい、愛知県一宮市大和町苅安賀の森川家に“里帰り”した。名高 い両碗がそろうのは、およそ55年ぶりという。

 名古屋市博物館で3月1日に始まる特別展「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」(中日新聞社など主催)の出品に向け、会場放映ビデオの収録のため“再会”が実現した。

 時雨は豪商の三井家、大阪・平瀬家に伝わり、如春庵が16歳で入手した。3年後に買った乙御前とともに、古美術の目利きとして知られた如春庵の出発点となった茶碗。乙御前は半世紀以上も前に如春庵が手放し、現在は個人の所蔵となっている。

 一方、時雨を含む「森川コレクション」が名古屋市に寄贈され、2年前に市博物館に移管されたのを受け、今回、如春庵ゆかりの名品を集めた特別展が企画された。時雨と乙御前が同時公開されるのは初めて。

 生前の如春庵を知る東京国立博物館名誉館員で茶道研究家の林屋晴三さんは「光悦が最後に到達した時雨の静けさと、乙御前の自由な造形。コンセプト が全く違う2つの光悦茶碗を、10代で自分のものにした審美眼を思う」と感慨深げ。如春庵の二男の妻、森川覚(さだ)子さんは「天国の義父も喜んでいると 思う」と話している。

 【本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)】 1558-1637年。江戸初期の芸術家で、書をよくし近衛信尹(のぶただ)、松花堂昭乗とともに「寛永の三筆」の1人。作陶にも秀で、白片身替わり茶碗銘「不二山」は国宝。

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