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■第39回
 寺町通二条の一保堂(いっぽどう)茶舗といえば、老舗の日本茶専門店としてよく知られている。瓦屋根の木造建築で、表には「茶一保堂」と染め抜いた大きなのれんがかかっている。京都を訪れたことがない人でも、その外観の写真は見たことがあるだろう。創業は1717(享保2)年というから、あと2年で300周年を迎えることになる。
 店の前では、観光客がよく記念撮影をしている。店内に入ってお茶を注文し、包んでくれるのを待ちながら様子を見ていると、お客の半分ぐらいは地元の人、それも常連さんのようだ。観光客と地元の人の両方に愛される店は、意外と珍しいかもしれない。