【PJニュース 2009年9月3日】高知県の特産品である“碁石茶”が、「新型インフルエンザのウイルスの殺菌や、増殖するのを抑制することがわかったのです」と語るのは、高知大学農学部の受田浩之教授(副学長/国際・地域連携センター長)である。
この話が出たのは、8月27日に横浜市で開催された第14回「産学交流サロン」(主催・横浜企業経営支援財団)で、高知県の食・農林水産関連で地域再生に活用可能な開発技術と物産をアピールする講演でのこと。
受田教授が“碁石茶”の新型インフルエンザの予防効果を語る根拠は、信州大学大学院農学研究科の保井久子教授が動物実験をし、「粘膜についたウイルスを不活化させ、細胞に這い入りこんで、増殖するのを妨げる」ことを学会に発表しているからだという。
“碁石茶”は、茶葉を蒸したあと、漬物のように木のオケの中で乳酸発酵させ、それを天日干しにしてつくられるという。一説には、茶葉が黒く、干した様子が碁石を並べたように見えるので、“碁石茶”といわれているという。《参照:大豊町の“碁石茶”情報サイト》
受 田教授は「この冬の間に、地元のこどもたちに、“碁石茶”を飲んでもらい、新型インフルエンザ予防に、どれだけ効果があるか試してみたいと思っています。 もし、子どもたちが新型インフルエンザにかからなかったとしたら、来年は全国に大ヒットするのでは」と、その期待を語る。
高知大学では、 高知県で得られる農水産物に、ショウガ、ニラ、柚子、カツオなどがある。これらの健康の維持・増進効果の解明、簡易・迅速な機能性評価技術の開発などを通 して、商品化・事業化へのアプローチをしているという。その活動に向けて「土佐フードビジネスクリエーター」の人材育成を行っている。《参照:「高知大学」国際・地域連携センター・サイト》
そ こで、記者も興味がわいて、“碁石茶”のティーパックになったものを、地元で販売をしている丸一横山商店に注文した。そして横山和房社長に、「“碁石茶” は新型インフルエンザの予防に効果があると聞いたのですけれど、そういう理由で注文する人は他にいるのですか」ときいてみた。
すると「い や、私は新型インフルエンザにいいという話を直接きいたことはありません。今のところ売れ行きは、いつもと同じです。ただ、その話がなくても“碁石茶”に ついては、一年に一度は、どこかのテレビ番組で紹介されることがあるらしいのです。すると、注文が殺到しましてね。売り切れてしまうのです。私の経験でも 一日に500件もの注文を受けたことがあります」というのだ。不思議なジンクスである。
さらに、「ちょっと、すっぱい風味がありまして ね、便秘に良いとか、血圧や血糖値を下げるとか、そういう効用を知っている消費者から安定的に注文があるのです。もともと高知県のひとには、それほど飲ま れずに、瀬戸内海の島で塩を作っている住民の人たちに愛飲されていたのです」と教えてくれた。《参照:丸一横山商店の”碁石茶”情報サイト》
ま た、「“碁石茶”は、春から夏にかけて生産され、ちょうど今ができたばかりの時期で、在庫が豊富です。冷暗所に保存しておくと、風味が増します。よろしけ れば、また注文を……」(横山和房社長)ともいう。記者もこの冬は、このお茶の効果を試してみようかと思う。場合によれば、来年も“碁石茶”の不思議な、 売り切れジンクスが続くかも知れない。【了】
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