2009年6月28日 星期日

『韓国の茶文化千年(1巻・2巻)』

詩文や歴史書から見る朝鮮後期の茶文化

【新刊】ソン・ジェソ、ユ・ホンジュン、チョン・ヘリョム他訳『韓国の茶文化千年(1巻・2巻)』(石枕)

 「中堂で客を迎えるときは静寂で落ち着いているため/随一の家門だということがすぐに分かるはず/東西に向き合って座り、あいさつを交わそう/子どもが雨前茶を出してくれる」

 これは、朝鮮後期の文臣・蔡濟恭(チェ・ジェゴン)=1720-99=が詠んだ『徐進士宅を訪問して』という詩の一部分だ。士大夫(知識階級)の家では当時、客を迎えてあいさつを交わし、茶を出すのが一般的な礼儀作法だったことが分かる。

 本書は韓国の「茶文化」にまつわるさまざまな古文献を翻訳したもので、「朝鮮後期の茶文化」をについて紹介している。1巻は詩、2巻は茶に関する散文からなる。

 1巻には、任守幹(イム・スガン)に始まり丁若鏞(チョン・ヤギョン)、申違(シン・ウィ)、草衣禅師、金正喜(キム・ジョンヒ)、洪顯周(ホ ン・ヒョンジュ)、申箕善(シン・ギソン)に至るまで、合わせて44人が詠んだ茶詩が記録されてある。そして2巻には、イ・イクの『茶食』、李徳履(イ・ ドクリ)の『記茶』、徐有榘(ソ・ユグ)の『林園経済志』など29人の茶に関する散文と、『承政院日記』『朝鮮王朝実録』から抜粋した茶に関する記録が掲 載されている。

 朝鮮時代の士大夫の家では、友情の証として酒と共に茶を贈っていたという。特に、茶山・丁若鏞は茶の愛好家として有名だった。茶山は罪人として康 津に配流されていた間、僧侶の兒菴に「茶を送ってほしい」と頼む手紙の中で、「苦痛が多いこの世の中、衆生を悟りへと導くに最も重要なのは布施を行うこと で、名の知れた山の良い茶をひそかに送るのは最も素晴らしいことだ。どうか、喉が渇き飲みたいと願っていることを考え、施しを渋らぬよう」と記している。

 取り交わされた手紙や日記、あらゆる記録などから、茶の支配と流通、茶関連の茶具、茶の効用などに関する多彩な記述も見られる。6巻組での刊行を企画している本書では、新羅時代から現代に至るまでの茶に関する文献記録資料を網羅する計画だ。

シン・ヨングァン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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