知覧茶、えい茶、かわなべ茶「知覧茶」に銘柄統一…鹿児島
全国一の茶の産地・鹿児島県南九州市で、三つの茶の銘柄を「知覧茶」に統一する動きが進んでいる。全国でも通用するブランド名で売り出し、市場価値をさらに高めるのが狙いだ。生産者団体は2016年度中の実現を目指している。
南九州市は07年、茶所の知覧、頴娃、川辺の3町が合併。生産量、栽培面積ともに全国の市町村で1位となった。県内でも全生産量の約半分を占める が、銘柄は旧町ごとに「知覧茶」「えい茶」「かわなべ茶」と分かれている。全国茶品評会で産地賞に輝いた知覧茶への統一は、市の合併以来の悲願だった。
県は静岡に次ぐ全国2位の茶の産地。収穫した生葉を乾燥させた「荒茶」の11年の生産量は2万3800トンで、全国の約3割を占める。温暖な気候と機械化による作業の効率化で増加傾向にあり、12年は08年と並ぶ過去最多の2万6000トンとなる見通しだ。
これまでは品質やブランド力の低下を危ぶむ声が強かったが、生産者らでつくる南九州市茶業振興会知覧支部が昨年12月、緊急理事会で銘柄を統一する方針を決定。頴娃、川辺支部は以前から統一を求めており、3月の総代会で正式に決まる見通しだ。
市議会も統一を後押しする。23日には、市役所頴娃支所の茶業課を市知覧農業振興センターに移す条例案を賛成多数で可決した。市は各支所に配置している担当職員を4月の異動で同センターに集め、機能を集約する方針だ。
県産の荒茶は、ブランド力のある他県に出荷され、商品である「仕上げ茶」となる割合が多い。県によると、県産の仕上げ茶の出荷量は、生産量の約3 割とされ、収入の増加につながる県産のブランド化は長年の課題となっている。県農産園芸課は「銘柄の統一が産地全体の底上げにつながってほしい」と期待す る。
振興会は、JA南さつまの「知覧茶」などの商標登録が期限切れとなる16年度をめどにしたブランド名の統一を目指し、再申請を後押しする。振興会事務局は「品質維持や銘柄の表示方法など課題は多いが、今後も周知活動を続けたい」としている。(西田忠裕)
(2013年1月30日 読売新聞)
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