【ソウル最新事情】(中)伝統感じるお茶ブーム (1/2ページ)
ソウルでは今、お茶がちょっとしたブームになっている。古美術品や工芸品の店が多い仁寺洞(インサドン)には伝統的なお茶を飲める隠れ家的な店が点在。繁華街の明洞(ミョンドン)では現代的な緑茶専門店も登場している。
仁寺洞の「草堂(チョダン)」は路地の突き当たりの小さな雑居ビルの2階にある。座席は4人テーブルが2つだけと小さな店構え。所狭しと置かれた仏教や美 術関連の書籍や写真集、数百年前に作られた碗(わん)や急須、カボチャの形をした麦飯石のやかん…。メーンストリートのにぎやかさがうそのようで、一気に 韓国の伝統文化に包まれる。
「アニョハセヨ(いらっしゃいませ)」と同店のオーナー、チェ・ジョンへさんが柔和な笑顔で出迎えてくれた。おすすめは数種類の茶が楽しめるセットメニュー(1万ウォン=約1000円)だ。
最初に出てきたのは蓮の葉と五味子の茶。五味子は甘み、酸味、渋み、辛み、塩辛さの5つの味がする赤い実のこと。蓮の茶にはデトックス効果があるとされ、 また五味子は肺や気管支、肝臓などのトラブルを解消するという。五味子は甘酸っぱく、しばらくすると体が温まってきた。
次に双和茶(サンワ茶)というクコの実(枸杞子)とクマイチゴの実(覆盆子)でできたお茶が登場。チェさんによれば、双和茶は朝鮮時代に王が徹夜で遊んだ後に飲んでいたという。五味子とあわせて3つ子(実)を同時に飲むと不老長寿になるといわれている。
ほかに緑茶をオーダーすると、500年以上前の白磁の碗で茶をたててくれるなど、骨董(こっとう)の茶器を実際に使えるのもうれしい。
一方、緑茶を若い世代向けにアレンジして提供するのが明洞の中心にある「オーソルロク」。韓国の大手化粧品会社、アモーレパシフィック社が運営。メニュー は韓国・済州島で栽培された緑茶=雪緑(ソルロク)茶=を中心に計30種類(6500~8000ウォン)。緑茶を使ったケーキやパフェなどデザートも豊 富。同社のペ・ユンソンさんは「最高の茶葉である一露香もまろやかで飲みやすくしているので、苦みのある日本の緑茶が苦手な人にもおすすめ」だそうだ。 (小川真由美)
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